上のグラフは、バイオ燃料の生産過程で出る残渣もボイラーの燃料として利用することを前提に計算されたものです。この試算結果が示すように、バイオ燃料の原料の種類やその製法によってもCO2の削減効果が大きく変わってくることがわかります。

下の図は、これらの点を考慮した各種バイオ燃料におけるCO2削減効果を試算したIEA(International Energy Agency 国際エネルギー機関)の調査結果です。
 しかし、バイオ燃料の原料が植物であったとしても、実際には燃料生産時の農業機械の利用や、バイオ燃料製造時のエネルギーを通常電力(火力発電)から得る場合、あるいは原料(資源作物)を生産地から工場に搬送し、製造されたバイオ燃料を各地の供給設備に搬送するトラックが従来燃料(軽油、ガソリン)を使用する場合には、その分のCO2排出が有る訳なので、厳密に言えばカーボンニュートラルの燃料サイクルになりません。また海外で生産されたバイオ燃料を輸入する際は、輸送船舶が排出するCO2分もカウントしなければなりません。

バイオ燃料によるカーボンニュートラルの仕組み

(資源バイオディーゼル燃料BDFの例)

 地球温暖化対策として、CO2の排出削減が世界的な課題になっています。わが国の運輸部門のCO2総排出量のうちの約9割が自動車由来のものといわれていますので、CO2削減のためには低燃費車の普及や省エネ運転の励行などが重視されています。

 自動車分野でのCO2排出を抑制する観点から、植物由来の燃料すなわちバイオ燃料の導入に注目が集まっています。バイオ燃料は光合成によって成長する植物を原料にして自動車に使える燃料を製造するものです。下記のような燃料利用サイクルにより大気中へのCO2放出が増えない(カーボンニュートラル)という説明がなされています。

(1) 地球温暖化対策とバイオ燃料

3.バイオ燃料の自動車分野への適用

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