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- 電気自動車、ハイブリッド車のエネルギー効率評価方法
エネルギー使用の合理化に関する法律(省エネ法)に基づき、EVのエネルギー消費効率をシャシダイナモメータ試験によって測定する方法が自動車審査基準に定められていますので、その方法について以下に簡単に紹介します。
EVの場合も、規定の試験モードサイクルをシャシダイナモメータ上で運転して、その時のエネルギー消費効率を評価する点では、ガソリン車、ディーゼル車の場合と共通です。ただしEVは消費エネルギーが電気のため、エネルギー効率は1km走行あたりの交流電力消費率で表示します。また1充電あたりの走行距離もユーザーがEVを使う上では重要な指標となるので、合わせて測定します。
EVの平坦路走行抵抗の測定とシャシダイナモメータにおける負荷設定、等価慣性質量の設定などは、ガソリン車と同様な方法で行います。(→こちらを参照) 走行モードは、ガソリン車などと同じJC08モードやWLTCモードを使って試験します。
台上試験によってEVのエネルギー消費効率、特に1充電走行距離を測定する方法の概念を下図に示します。
電気自動車(EV)は、走行中はCO2やNOx等の有害ガスを排出しない上に、車を動かすためにバッテリーに蓄える電力は、化石燃料に限らず風力や太陽光、地熱などの自然エネルギーや、再生可能エネルギーなど地球に優しいさまざまな資源から作り出すことができるという利点があります。また電気駆動の効率は、エンジン車に比べてかなり優れていることから、トータルとしてのCO2排出削減にも非常に有効です。さらにEVは音が静かで振動も少ない上に、走行距離あたりのコスト(電気代)がガソリンや軽油よりもかなり安価になるというメリットも大きいため、自動車としての可能性が世界的に注目されるようになり、急激に普及が進んでいます。
ただしEVの課題としては、 (a)1充電航続距離の延伸、(b)移動先での充電設備の安定的な確保、(c)車両充電時間の短縮、(d)実用上問題のないパワー・ウェイト比、(e)搭載バッテリー性能等の長期に渡る信頼性、耐久性の確保などがあります。特に(a)は使用上の大きな課題であり、それを解決するには高いエネルギー密度、高耐久、軽量、低コストのバッテリー開発も重要となります。航続距離の延伸には搭載バッテリー容量を増やすのが有効ですが、背反要素となる車両重量増とのバランスも問題となります。これに対してリチウムイオン電池のように高いエネルギー密度を持つバッテリーが急速に進歩したこと、小型化とハイパワー化を両立させるモータ技術が進展したこともあり、カーボンニュートラルへの世界的な流れも受けて、EVの開発・普及が大きな広がりを見せています。ただし車両製造に必要な貴重資源の確保といった点も、流動的な世界情勢の影響を受けやすく大きな課題となっています。