タイヤをAAAクラスに変えた時の基準タイヤに対する燃費向上率(%)の推計結果

 右図は等価慣性質量1750kg、排気量2.3L、ミニバン型ガソリン車(A車)に、AAAクラスのエコタイヤを付け替えて各種モードを走行した時の基準タイヤに対する燃費改善率を予測した例ですが、結果は一般的に言われている燃費改善率にほぼ近い値と思われます。なおこの計算では、モード運転は暖機スタートでの条件とし,基準タイヤでの燃費はA車を台上運転した時の実測値を用いています。

したがって比較タイヤの燃費推計値F‘は、(3)式になります。

 基準タイヤで燃費を測定した車に別のタイヤを装着した場合の燃費の変化を,タイヤ単体試験の結果から予測する手法を開発し、自動車技術会でJATAが研究発表を行いました。以下にこの手法の概要を示します。

燃費Fは (1)式で定義される値ですが,この式の分母,分子にモード全体の車両仕事量(kJ)をかけて整理すると, F は(2)式に変換できます。この式をベースに、タイヤのモード試験の結果から基準タイヤと比較タイヤの車両仕事率の差ΔWDを求めて、(3)式から比較タイヤを装着した場合の推計燃費値F‘を算出します。(手法の説明は、JATAホームページの中のタイヤの技術解説の4ページ目を参照)

先進多機能タイヤ試験装置を用いた解析手法および解析結果の例

先進多機能タイヤ試験装置の構成と制御・計測機能(小野測器資料)

(株)小野測器製

 先進多機能タイヤ試験装置の外観

 当協会は(株)小野測器と連携して、この先進タイヤ試験器を用いたタイヤ間の性能比較試験を実施いたします。試験を検討されているお客様は、試験タイヤの数、種別など、JATA昭島研究室の技術課(Tel:042-503-7980 -メール: gijutu@ataj.or.jpにお問い合わせください。

 このタイヤ試験機は、屋外での惰行試験のように気象要因に左右されずに、安定的かつ高精度にタイヤのモード損失特性を評価できるわが国唯一の装置です。

 本装置では、下図に示した機能を活用して、各種走行条件(モード走行含む)のタイヤ単体の損失率(kJ/km)などを求めることができます。

 このタイヤ試験の結果と下に示す解析ツールを組み合わせることで、タイヤの違いが燃費に及ぼす影響度を定量的に比較評価できるようになります。

 テストコースでの惰行試験による走行抵抗測定とシャシダイナモメータ上での燃費測定は、大がかりな設備が必要となる上に、試験手順が複雑で手間がかかることから、多数のタイヤを対象にした性能比較に向いていません。

 そこでJATAは(株)小野測器と協定を結び、同社の開発した先進多機能タイヤ試験装置を用いて、タイヤの燃費影響度をより直接的に把握できる新しいタイヤ試験・解析の方法を提案しています。

  以下の図に、この先進多機能タイヤ試験装置の外観ならびに組み込み機能の概要を示します。より詳しい内容はこのホームページの技術解説頁の「自動車用タイヤの低燃費性とその評価方法について」に掲載してあります。

 この先進タイヤ試験装置は、試験モードの目標車速に追従する速度制御とローラ側での実車相当と同等の負荷吸収の機能を備えています。タイヤとローラは温度チャンバーに収められ、各々が独立の温度調節機能を有するため、タイヤ周囲温度とローラ表面温度を独立して制御し試験管理ができます。

タイヤと燃費の関連性を基礎としたタイヤ単体の試験と解析の方法

公益財団法人日本自動車輸送技術協会は、自動車の安全確保、環境保全に役立つ各種の試験、調査、研究を行うことで社会に貢献しています。

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受託試験・共同研究

受託試験ー自動車用タイヤの燃費影響評価


















































































































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